2023年3月25日(土)、日南市と宮崎市を結ぶ高速道路が開業し、両市の移動時間が大幅に短縮されます。
今までは両市の市役所同士の移動に1時間近くかかっていました。それが45分ほどまで短縮される見込みです。
さて、前回は両市の間の公共交通について解説させていただきました。
路線バスだと2時間近く移動にかかり、とても不便な状況だというのは前回お話しした通りです。
おおよそ並行するようにして走るJR日南線を使っても1時間20分ほどかかります。
今回からは、
もし新しい高速道路に特急バスが運転されたら…
という想定のもと、いろいろ考察していきます。
高速道路開通後、日南と宮崎を結ぶ特急バスがどのように運行されるのか。
パターンとしては以下の3通りが考えられます。
- 運転されない。
- 通勤・通学の時間帯のみ、1日に数往復だけ運転される。
- 終日運転される。
私は、1番の「運転されない」が最も可能性が高いと実は思っています。
宮崎県内一円のバスを運転する宮崎交通は深刻な運転手不足に苦しんでいます。
シフト制が基本となるバスの運転手は勤務形態が不規則であり、そもそも拘束時間が長くなりがちな職業です。
それに加えて、過疎化が進む地方のバス路線を維持していかなければならないことから、経営状況が良くない会社がほとんどです。
路線バス 特設サイト|NHK NEWS WEB
以上のような理由から、バスの運転手不足は全国的な問題になっています。
その中でも宮崎交通は特に深刻で、
全国の大手バス会社の中でもっとも平均給与が低いという記事を読んだことがあります。
バスの運転手の平均年収を調査!公営・民営の差 – 転職サファリ
最近では、普段運転しているバスの本数を維持することすらままならず、
宮崎交通は毎年のようにバスの減便を行っています。
加えて、車社会化が進んだ地方の中でも、宮崎県は特に公共交通を使わない傾向が強い場所です。
県内での移動はもちろん、九州のほかの地域(福岡市を除く)へ行くときも基本的に自家用車を使います。
そういうこともあり、一般的に利益率が高いとされる高速バスでさえも苦戦を強いられています。
2021年には、宮崎~鹿児島線および宮崎~延岡線が休止、宮崎~大分線は完全に廃止されてしまいました。
路線バスはもちろん、高速バスでも苦戦を強いられ、副業もそこまでない宮崎交通は、稼ぎ頭と呼べる事業がない状況なのです。
そんな状況の中で、新しいバス路線を開設できるのか…正直かなり厳しいのではないでしょうか。
しかしながら希望もあります。
先述の通り、宮崎交通は最近になって高速バス路線をいくつか休廃止しました。
使わなくなったバス車輌のうちいくつかは老朽化のため処分したかもしれませんが、余分な高速バスの車輌が残っていたとしてもおかしくありません。
数回後の記事で、私が勝手に作った特急バスの運行ダイヤ(3の「終日運転される」のパターン)をご紹介するのですが、そのダイヤで必要な運転手は4人です。
日南の営業所に2人、宮崎の営業所に2人の運転手を新たに確保できさえすれば、特急バスを運転できることになります。
難しいことに変わりはないですが、まったくもって不可能とまでは言えないでしょう。
また、2番の「通勤・通学時間帯のみ運転」は、なくはないですが可能性は低いと思います。
仮に特急バスが運転される場合、最も多い利用者は学生です。彼らの利用だけを考えれば、朝夕の通学時間帯のみの運転で問題ないでしょう。
現に世の中には、通学・通勤の時間帯にしか運転しない高速バスもたくさんあります。
しかし日南市は観光が盛んな場所です。
日中に宮崎市と日南市を移動する人は多く、現に海沿いを走る国道220号は、朝の通勤時間帯はもちろん、昼間でも結構な数の自家用車が走っています。
観光客の中でも、首都圏や関西圏などからやって来る人の中には、レンタカーを借りずに公共交通機関だけを使う人も多くいます。
普段から電車やバスに乗りなれており、逆に車には乗りなれていない、なんなら運転免許すら持っていないという人も多いからです。
もし特急バスが走れば、一部の観光客は乗ってくれるでしょう。
また、バスを運転するうえで朝と夕方が一番人手が必要な時間帯です。昼間はどちらかというと人が余っています。
そう考えると、朝夕にバスを運転するなら、昼間も運転しよう、となるのが自然です。
ということで、特急バスが終日運転されるという想定(妄想)のもと話を進めていきます。
本当はバスの運転ルートについても書くつもりでしたが、運行形態だけで大量に書いてしまいましたw
運転ルートは次回にさせていただきますので、よろしくお願いします。
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