日南特急バス(4) – 大まかなルート妄想

日南特急バス

2023年3月25日(土)、日南市と宮崎市を結ぶ高速道路がいよいよ開通します。

もしこの区間に特急バスが運転されるようになったら、どのような運転形態になるのでしょうか。

今回は、バスの運転ルートについて考察していきます。

結論から述べると、上の地図の通り大きく分けて以下の2つの系統が運転されると考えます。

  1. 上の地図だとピンク色の線:宮崎駅・宮交シティ(・宮崎空港)~ 宮崎道・東九州道経由 ~ 日南北郷IC・飫肥・日南駅前・油津・南郷・道の駅なんごう
  2. 上の地図だと青色の線宮崎駅・宮交シティ ~ 宮崎道・東九州道経由 ~ 日南東郷IC・日南駅前・油津・南郷

1を「通勤型
2を「通学・観光型
と呼ぶことにします。

宮崎~都城の特急バス(画像はイメージ)。日南行きの特急バスが走るとすれば、宮崎市内のルートはほとんど同じだろう。

まずは宮崎市内の経由地から説明していきますが、これは簡単です。

宮崎市と、県内第2の都市・都城市との間にはすでに特急バスが走っており、これとほとんど同じルートにしています。

地図の「生目台経由」「月見ヶ丘入口経由」については、また後日お話しします。

起点の宮崎駅を出ると、中心市街地を経由したのちに、バスターミナルである「宮交シティ」に停車。
一部の便は宮崎空港を経由したのち、宮崎ICから高速道路に乗ります。
高速道路本線上にある「清武」バス停が、宮崎市内最後のバス停です。

宮崎空港。市街地から近いこともあり、宮崎~都城の特急バスは空港連絡バスも兼ねている。

都城特急バスは、朝の1本をのぞき全ての便が空港に乗り入れていますが、日南特急バスは一部が通過となるという想定です。

↑ 宮崎自動車道の本線上にある「清武」バス停

高速道路の本線上に「清武」バス停がありますが、こちらは都城特急バスも乗り入れており、
時間さえ合えば日南特急バスから乗り換えることができます。

ちょうど乗り換えられる時間に運転される便や、そもそも空港への需要がない時間帯の便1は、空港を通過することによってより早く宮崎・日南両市街地へ向かうことができるのです。

日南市の中心地のひとつ、油津にある堀川運河。木材(飫肥杉)を輸送しやすくするため、江戸時代に開削された。

宮崎市内での経由地は、「通勤型」「通学・観光型」でおおむね共通にしているのに対して、
日南市内の経由地は両者で大きく変える必要があります。

日南市は、歴史的経緯から中心地と呼べる場所がいくつかあります。

正直、各地区同士の境界はあいまいになってきているが、おおむね3つの中心地がある。

江戸時代に城下町として栄えた「飫肥(おび)」、
内陸の飫肥に対する交易の玄関口、また風待ち港として栄えた「油津(あぶらつ)」、
そして昭和の大合併の際に、飫肥町と油津町が合併してできた「日南市」の市役所がおかれた「吾田(あがた、日南駅付近)」、

この3つが大きな核となっています。

これらを全て1本の線で結ぶことができれば、経路は1つで済みます。

しかしながら、地図の通り、飫肥の街は油津~東九州道を結ぶ線からかなりずれたところに位置しています。

全て飫肥を経由してもいいのですが、この特急バスには強力なライバルがいます。

JR日南線」です。

南宮崎駅に停まっているJR日南線の車輌。宮崎駅・南宮崎駅から日南市・串間市を通って、鹿児島県の志布志駅までを結ぶ。

全国的なイメージでは、日南線は風光明媚なローカル線、という印象が強いかと思いますが、少ないながら通勤で使っている人もいます。

前の日南市長である崎田恭平さんも、県庁マン時代には飫肥の自宅から日南線で通勤していたそうです。

いくら高速道路が通じたといえど、日南線がいる限り油断はできません。
日南線は、日南駅~宮崎駅をおよそ1時間20分で結んでおり、それよりも遅いとなると客足も遠のくでしょう。

飫肥藩の藩庁があった飫肥城の大手門。城下町も当時のままの町並みが残っている。

一方で、飫肥は素晴らしい観光地でもあります。

江戸時代には「飫肥藩」という藩が日南市一帯を治めており、飫肥はその城下町として栄えました。
戦時中に空襲を受けなかったこともあって街並みがよく保存されており、「九州の小京都」の異名を持つほどです。

特に日中帯には城下町や城跡へと向かう観光客の利用が期待できます。

それらの事情を考えると、

通勤型   :飫肥を通らず日南駅や油津に直接向かう。
通学・観光型:飫肥を経由する

とするのが最適だと考えました。

では、日南市内でのルートを詳しくご紹介します。
まずは通学・観光型から。

日南市内で最初のインターチェンジ「日南北郷IC」で高速道路を降り、旧・北郷町の中心部を通ります。
その後、飫肥日南駅前を通り、通学時間帯の便は油津待合所(油津駅の目の前)まで。
日中の便はさらに30分ほど走り、景勝地である「道の駅なんごう」まで足を延ばします。

終点に想定している「道の駅なんごう」ハイキングコースからの景色。油津・南郷近くの多島海を一望できる。

通勤型は、日南北郷ICの一つ隣、現在の高速道路の終点である「日南東郷IC」で高速を降ります。高速を降りて5分ほどで日南駅、更に10分ほどで油津待合所、終着は南郷バス停(南郷駅前)です。

「通勤型」の終点、南郷駅。西武ライオンズが近くでキャンプをすることから、駅舎もライオンズカラーに塗られている。

さて、今まで「通学・観光型」という表現をしてきましたが、通学向けの便観光向けの便でさらに経由地が違います。

ルートが変わるのは、飫肥と北郷の間です。

観光向けの便は日中時間帯を走るので、途中で買い物に行くお年寄りなども乗ってきます。2
そのため特急バスといえども、お年寄りが住む途中の集落に細かく立ち寄るという想定です。

加えて、途中には北郷温泉というミニ温泉地があります。
知名度が高いとは言えない北郷温泉に県外の人はなかなか行かないと思いますが、日南市内のお年寄りはけっこう行きそうです。

日中はこれくらい経由地を増やすのがちょうどいいと思いますが、通学時間帯にこれだとさすがに遅すぎます。
通学手段をJR日南線から乗り換えてくれません。

ママチャリで無人駅まで行って鉄道で学校最寄り駅まで行く高校生は多い。

学生であれば、バスが家のすぐ近くまで来ずとも、自転車でちょっと離れたバス停まで行くことくらいたやすいでしょう。

ということで、学生が多い朝夕の通学・観光型は、若干近道をするという想定にしました。
朝の便は宮崎空港も通過するので、日中の便と比べて合計15分ほどの時間短縮になります。

長くなりましたが、以上が特急バスのルートの概要です。

次回は、いよいよ特急バスの予想時刻表をお見せしつつ、細かいポイントなどを説明させていただきます。

注釈

  1. 夜遅くの便など
  2. 特急バスは、日南市内では乗り降りともに可

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